草津という地名を聞くと,個人的には草津温泉を連想するのであるが,それにはザ・ドリフターズの『いい湯だな』の影響が多分に考えられる。作詞が永六輔だけに『遠くへ行きたい』とも考えるが,今居るのは東海道五十三次の草津である。
京都は三条大橋を出て大津の次が草津であるが,ここから草津線に乗って石部を過ぎると貴生川。水口へは近江鉄道に乗り換える必要があるが,今日乗るのは信楽高原鐵道。
列車は貴生川を出ると国道307号線沿いに終点の信楽まで進むが,33‰の勾配を上るため小野谷信号場付近まで力行が続く。今時の気動車なので33‰でも40km/h以上は出るが,国鉄時代はどの程度だったのだろうか。水口町から信楽町に入り,最初の停車駅である紫香楽宮跡。ここまでの駅間は9.6kmと長いが,信楽までの5.1kmは雲井,勅旨,玉桂寺前とこまめに停車する。
信楽の駅に着くと,人間よりも多い狸の置物。甲賀だけにたまに忍者も紛れているが,信楽といえば狸。有田を歩いている時は煙突が目に付いたが,信楽は登り窯だからだろうか煙突が目立たない。
信楽から貴生川に出て,草津経由で京都。山陰本線の馬堀まで出て,嵯峨野観光鉄道のトロッコ亀岡駅へ。典型的な観光路線ではあるが,山陰本線の旧線には乗ったことがないので乗車してみようと思った次第。
いかにも山陰本線という風景が続いた後,トロッコ嵐山駅から山陰本線の下り線を逆走してトロッコ嵯峨駅。嵐電の嵐山駅まで歩き,そのまま四条大宮。河原町まで歩いた後,阪急電車で梅田へ。3扉ロングシート車の特急というのに時代の変化を感じるが,内装の色調は変わらない。大阪から新大阪に出て,新幹線で岡山。
© Keisuke Uchida 2014